「ルート営業は楽そう」

営業職を調べていると、そんな言葉を目にすることがあります。実際、飛び込み営業やテレアポが少なく、既存顧客との関係構築が中心になるため、営業職の中では比較的働きやすい職種として紹介されることも少なくありません。

一方で、「ルート営業はきつい」「やめとけ」「想像していた仕事と違った」という声があるのも事実です。では実際のところ、ルート営業は楽なのでしょうか。それともきついのでしょうか。

私は福祉業界で3年間営業として働き、入社から半年後は営業主任としてルート営業だけでなく案件管理や後輩育成も担当していました。担当していたのは病院や福祉施設、そして障害のあるお子さんを持つご家族です。既存顧客への訪問だけでなく、新規病院への営業や競合とのコンペ提案なども行っていました。

ルート営業というと、既存顧客を回るだけの仕事だと思われがちです。しかし実際には顧客対応、案件管理、社内調整、数字目標など、多くの業務を同時に進める必要があります。その一方で、お客様から直接感謝されたり、自分が提案した商品によって生活が良くなったと言っていただけたりする場面もありました。

この記事では、実際にルート営業として働いていた経験をもとに、次の内容について本音で解説します。

これからルート営業を目指している人はもちろん、今まさに「きつい」「辞めたい」と感じている人の参考になれば幸いです。

ルート営業がきついかの結論

ルート営業の結論。楽な面と別種のきつさの同居

ルート営業は営業職の中では比較的働きやすい仕事です。飛び込み営業やテレアポ中心の営業と比べると、既に取引のある顧客との関係構築が中心になるため、精神的な負担は少ないと言われています。

そのため、「ルート営業は楽すぎる」という意見が出るのも理解できます。しかし実際に働いてみると、決して楽な仕事ではありません。顧客との信頼関係が深くなるからこそ、クレームや要望を直接受けることもありますし、売上目標がなくなるわけでもありません。また、顧客対応だけではなく、社内調整や案件管理など多くの業務を同時に進める必要があります。

私自身、顧客との距離が近いからこその精神的なつらさも経験しました。ただ、それ以上にお客様から感謝される機会も多く、人の役に立っている実感を得やすい仕事でもありました。

ルート営業が楽すぎると言われる理由

ルート営業が楽すぎと言われる理由。既存顧客中心・一人の時間・裁量

ルート営業が営業職の中では働きやすいと言われるのは、既存顧客とのやり取りが中心で、新規営業のように何十件も電話をかけたり、飛び込み訪問を繰り返したりする場面が比較的少ないためです。私自身も新規営業とルート営業の両方を経験しましたが、精神的な負担だけで考えれば、ルート営業の方が働きやすいと感じる場面はありました。

実際に働く中でも、「これはルート営業ならではのメリットだな」と感じる部分がいくつもありました。

既に信頼関係がある状態から営業できる

まず大きいのは、既に信頼関係がある状態からスタートできることです。新規営業の場合は、まず話を聞いてもらうところから始めなければなりません。しかしルート営業は既存顧客との関係維持が中心になるため、最初から一定の信頼関係があります。

顧客側もこちらを知っているため、提案や相談が進めやすい場面は多いです。「毎日断られ続ける」という新規営業特有のストレスが比較的少ないことは、ルート営業が働きやすいと言われる大きな理由だと思います。

移動中は一人になれる時間がある

また、移動時間が比較的多いことも特徴です。私の場合は病院や施設を訪問することが多く、車で移動する時間が毎日ありました。この時間は一人になれる貴重な時間でもあります。

営業職は常に人と接する仕事ですが、移動中だけは誰にも邪魔されません。気持ちを切り替えたり、次の訪問準備をしたり、自分のペースで考え事をしたりできるため、この時間が好きな営業も多いと思います。

結果を出すほど裁量が大きくなることもある

さらに、成績を出している営業ほど裁量が大きくなる傾向があります。会社によって違いはありますが、私がいた会社では結果を出している人ほど細かく管理されませんでした。

直行直帰が認められたり、自分でスケジュールを組み立てられたりと、ある程度自由に働ける環境もありました。こうした点から、「ルート営業は楽そう」「営業の中では働きやすそう」と言われるのでしょう。

ルート営業がきついと言われる理由【経験者が感じたリアル】

ルート営業がきついと言われる理由。顧客との距離・マルチタスク・ノルマ

一方で、ルート営業は決して楽な仕事ではありません。新規営業より働きやすいと感じる部分があるのは事実ですが、顧客と長く付き合うからこその責任や、案件管理・数字目標など、別の種類のストレスがあります。

私自身、「新規営業とルート営業のどちらが楽か」と聞かれれば、簡単には答えられません。ここからは、実際に働いていて特にきついと感じた部分を紹介します。

顧客との距離が近いからこそ精神的な負担がある

ルート営業は顧客との関係性が深くなります。これはメリットでもありますが、同時にデメリットにもなります。新規営業の場合、一度断られればそこで関係が終わることも珍しくありません。しかしルート営業は長く付き合うため、顧客の悩みや不満も直接受け止めることになります。

私がいた業界では、障害のあるお子さんを持つ親御さんと関わることが多くありました。用具を提案して終わりではなく、実際に生活で使い始めてからも相談は続きますし、お子さんの成長や病状の変化に合わせて再提案が必要になることもあります。

特に印象に残っているのは、「早く用具が欲しい」という相談です。こちらとしても一日でも早く届けたい気持ちはあります。しかし福祉制度を利用する以上、市役所での手続きや補助金申請、特注製作などが必要で、どうしても時間がかかります。

最初に説明していても、「なんとかできませんか」「まだなんですか」という連絡をいただくことがあります。もちろん相手も好きで言っているわけではありません。重度障害のあるお子さんの中には、残された時間が多くはない子が少なからずおり、親御さんはそれだけ必死なのです。

怒りというより、不安や焦りの気持ちを受け止める場面が多かったという方が正しいかもしれません。相手の気持ちが分かるからこそ、何もできない自分にもどかしさを感じ、つらいと感じることがありました。

ルート営業はマルチタスクの仕事

ルート営業というと、顧客を訪問して提案する仕事だと思われがちです。しかし実際は、その裏側の業務が非常に多くあります。

特に私の会社では営業が担当する範囲が広く、営業以外の業務も数多く担当していました。そのため、一人で抱えられる案件数には限界があります。顧客対応をしながら納期管理も行い、社内スタッフとの連携も進めなければなりません。

営業力というより、仕事を整理して回す能力が求められる場面の方が多かったように思います。主任になってからはさらにその傾向が強くなり、自分でやるだけでは回らないため、パートスタッフへ仕事を依頼したり、業務を分解したりしながら進める必要がありました。

ルート営業は人と話す仕事というだけでなく、案件管理の仕事に近い側面もあります。

ノルマがなくなるわけではない

ルート営業に対して、「既存顧客を回るだけだから数字は楽そう」というイメージを持つ人もいます。しかし実際はそうではありません。会社である以上、売上目標はあります。

私の場合も病院との関係構築だけではなく、新しい利用者を獲得するための提案活動を行っていました。競合他社とのコンペになることもあり、せっかく関係を築いていても、提案内容や価格で負ければ案件は取れません。

ルート営業だからといって数字のプレッシャーがなくなるわけではなく、むしろ既存顧客との関係性を維持しながら数字も追う必要があります。営業である以上、この部分からは逃れられません。

周囲が苦しんでいる姿を見ることもある

私が主任時代に一番きつかったのは、自分が怒られることよりも周囲が苦しんでいる姿を見ることでした。営業の現場では、納期トラブルや納品時のミス、商品の一部破損、持参忘れなど、さまざまなトラブルが起こります。

もちろんミスをすれば指摘されるのは当然です。ただ、必死に頑張っている後輩や同僚が詰められている姿を見るのは、精神的に楽なものではありません。

主任という立場になると、自分の数字だけを見れば良いわけではなくなります。チーム全体を見る責任も生まれ、その重さは想像以上でした。

ルート営業はやめとけと言われる理由

ルート営業やめとけと言われる理由。営業色・長期対応・業界差

インターネットでルート営業について調べると、「やめとけ」という意見を見かけることがあります。もちろんすべての人に当てはまるわけではありませんが、仕事の特徴を理解せずに「新規営業より楽そう」というイメージだけで入社すると、ギャップを感じやすい仕事でもあります。

思っていたより営業色が強いから

未経験者の中には、「ルート営業なら営業っぽくないだろう」と思って入社する人もいます。しかし実際は営業です。

  • 売上目標がある
  • 提案活動がある
  • 競合との比較がある
  • 顧客との関係構築が必要になる

つまり、営業が苦手な人にとってはルート営業も十分きつい仕事です。「飛び込みがない=営業ではない」というわけではありません。

顧客対応が長期間続くから

ルート営業は短期決戦ではなく、顧客との関係が何年も続くことがあります。だからこそ信頼関係が生まれる反面、トラブルが起きた時も長く付き合うことになります。

人間関係が苦手な人にとっては、むしろ新規営業よりストレスを感じることもあるでしょう。

業界によって大変さが全く違うから

ルート営業という言葉だけで仕事を判断するのは危険です。例えば、次のような業界では仕事内容が大きく異なります。

  • 医療
  • 福祉
  • 建材
  • 食品
  • IT
  • 自動車

同じルート営業でも、扱う商材や顧客によって大変さは全く変わります。そのため、「ルート営業だから楽」と考えるのではなく、業界や会社まで含めて判断することが大切です。

元営業主任が見てきた「ルート営業に向いている人」の特徴

ルート営業に向いている人の特徴。関係構築・相手目線・継続力

ルート営業は営業職の中では比較的働きやすいと言われますが、向いている人と向いていない人ははっきり分かれる仕事でもあります。実際に私自身が働いていた経験や、後輩の育成をしていた経験から見ても、成果を出している人には共通点がありました。

人との関係づくりが苦にならない人

ルート営業で最も重要なのは信頼関係です。商品知識や提案力ももちろん大切ですが、それ以上に「この人から買いたい」と思ってもらえるかどうかが大きく影響します。

私が担当していた病院でも、新しい案件が出た際に真っ先に相談をもらえる営業とそうでない営業がいました。その違いは商品知識ではありません。普段からどれだけ関係を築けているかでした。

顧客との雑談を大切にできる人や、相手の話を聞くのが好きな人はルート営業に向いています。

相手の立場で考えられる人

ルート営業は顧客の課題を解決する仕事です。そのため、自分の都合ではなく相手の立場で考える力が求められます。私がいた福祉業界では特にそうでした。

親御さんが求めているのは商品そのものではありません。「子どもが少しでも楽に生活できること」です。だからこそ、商品説明だけをしても意味がありません。生活の中で何に困っているのかを理解し、その解決策として提案する必要があります。

この視点を持てる人は、どの業界のルート営業でも成果を出しやすいと思います。

コツコツ積み上げるのが得意な人

ルート営業は一発逆転の仕事ではありません。日々の訪問や小さな相談対応、納品後のフォローといった積み重ねが信頼につながります。

実際に私も、何か月もかけて関係を作った結果、ようやく案件につながることがありました。派手さはありませんが、地道な積み重ねが成果になる仕事です。そのため、短期間で結果を求める人よりも、コツコツ続けられる人の方が向いています。

マルチタスクが苦ではない人

ルート営業は思っている以上にやることが多い仕事です。顧客対応だけではなく、見積作成、納品管理、スケジュール調整、社内連携、売上管理など、常に複数の案件が同時進行します。

そのため、一つの仕事だけに集中したい人よりも、複数の仕事を整理しながら進められる人の方が活躍しやすいでしょう。

反対にルート営業に向いていない人の特徴

ルート営業に向いていない人の特徴。関わり回避・過度な感情移入・整理下手

一方で、ルート営業が苦しくなりやすい人にも共通点があります。もちろん努力で補える部分もありますが、向いていないまま無理を続けると精神的な負担が大きくなりやすいです。

人との関わりをできるだけ避けたい人

ルート営業は顧客との関係構築が仕事です。そのため、人と接すること自体が苦痛な人には向いていません。

営業というと話し上手な人が活躍するイメージがありますが、実際はそうではありません。むしろ聞き上手な人の方が成果を出すこともあります。ただ、人と関わること自体がストレスになる場合は、ルート営業を続けるのは厳しいでしょう。

感情移入しすぎる人

これは私自身も当てはまる部分でした。顧客の悩みに共感できることは長所ですが、共感しすぎると苦しくなります。

実際、障害のあるお子さんを持つ親御さんから相談を受けるたびに、「何とかしてあげたい」と思っていました。ですが制度上できないこともありますし、納期を短縮できないこともあります。そうした時に、自分まで感情を抱え込んでしまうと疲弊してしまいます。

優しい人ほど注意が必要です。

断られることを引きずる人

ルート営業でも提案が通らないことはあります。競合に負けることもあれば、長年付き合いがあった顧客を失うこともあります。

そのたびに必要以上に落ち込んでしまう人は苦しくなりやすいでしょう。営業はある程度気持ちを切り替える力も必要です。

自分で仕事を整理するのが苦手な人

ルート営業は意外と自由度が高い仕事です。だからこそ、自分で優先順位を決める必要があります。誰かが細かく指示を出してくれる環境を求める人には合わないかもしれません。

ルート営業のやりがいは「ありがとう」を直接もらえること

ルート営業のやりがい。顧客から直接届く感謝

ここまでルート営業のきつさについて書いてきましたが、それでも私が3年間続けられたのはやりがいを感じる場面が多かったからです。その中でも一番大きかったのは、お客様から直接感謝されることでした。

営業という仕事は数字で評価されます。しかし現場では数字以上に嬉しい瞬間があります。私が担当していた親御さんから、「本当に助かりました」「生活が楽になりました」と言っていただけたことは今でも覚えています。

特に福祉用具は生活そのものに関わる商品です。導入したことでお子さんの負担が減ったり、ご家族の介助が楽になったりすることがあります。そうした変化を実際に見られるのは大きなやりがいでした。

また、偶然病院で再会した際に、「この前の用具のおかげで助かっています」と声をかけてもらうこともありました。営業をやっているとクレームや要望ばかりが印象に残りがちですが、それ以上に感謝される経験もあります。

そして信頼関係ができると、新しいお客様を紹介していただけることもあります。紹介は営業にとって非常に嬉しいものです。なぜなら、「この人なら任せても大丈夫」と思ってもらえた証拠だからです。

ルート営業は数字だけを見ると苦しい仕事です。しかし、人の役に立っている実感を得やすいという意味では、非常に魅力のある仕事だと思います。

私がルート営業を辞めた理由

ルート営業を辞めた理由。体調悪化と健康優先の決断

私自身はルート営業という仕事そのものが嫌になって辞めたわけではありません。むしろ仕事にはやりがいを感じていましたし、お客様との関係づくりも好きでした。実際、お客様から感謝されることも多く、営業として充実感を感じる場面はたくさんありました。

ただ、結果として私は営業を続けられなくなりました。きっかけは熱中症です。当時、真夏の倉庫で長時間作業をしていた際に体調を崩し、そのまま救急車で搬送されました。

その後、体調面の不調が続き、最終的にはパニック障害を発症しました。以前は何とも思わなかった暑さや長距離移動に対しても強い不安を感じるようになり、営業活動そのものが難しくなってしまったのです。

仕事が嫌だったわけではありません。むしろ続けたい気持ちもありました。ただ、体がついていかなくなりました。

その経験を通じて強く感じたのは、健康以上に大切なものはないということです。どれだけやりがいがあっても、心や体を壊してしまっては続けられません。

だからこそ、もし今この記事を読んでいる人の中に体調面で無理をしている人がいるなら、自分を責める前に一度立ち止まってほしいと思います。

ルート営業を辞めた方がいい人【チェックリスト】

ルート営業を辞めた方がいい人。苦痛・不眠・体調異変・将来不安

ここまで読んで、「自分はルート営業に向いているのだろうか」と考えている人もいるかもしれません。最初に伝えておきたいのは、ルート営業が向いていないからといって能力が低いわけではないということです。

実際、私が主任として働いていた頃も、ルート営業では苦労していた人が転職後に活躍しているケースを何度も見てきました。大切なのは、自分に合う仕事かどうかです。もし次の項目に複数当てはまる場合は、一度キャリアを見直してみる価値があるかもしれません。

顧客対応そのものが苦痛になっている

ルート営業は顧客との関係構築が仕事です。そのため、人と話すことや相談を受けること自体が苦痛になっている場合は注意が必要です。

「営業だから仕方ない」と我慢し続けることもできますが、その状態で何年も働くのは簡単ではありません。特に顧客対応のたびに強いストレスを感じる場合は、一度立ち止まって考えてみることをおすすめします。

休日も仕事のことばかり考えてしまう

私自身も経験がありますが、営業は仕事とプライベートの境界線が曖昧になりやすい職種です。担当顧客が増えるほど、「明日の対応どうしよう」「クレームにならないだろうか」「案件の進捗は大丈夫だろうか」と考えてしまいます。

もちろん責任感を持つことは大切です。しかし休日まで仕事の不安に支配されている状態は健全とは言えません。

体調に異変が出ている

これは最も重要です。朝起きるのがつらい、眠れない、食欲がない、動悸がする、出社前になると気分が落ち込む。こうした状態が続いている場合は、仕事以前に健康を優先するべきです。

私自身も体調を崩したことで営業を続けられなくなりました。だからこそ断言できます。仕事には代わりがいますが、自分の心と体に代わりはいません。

将来の自分が想像できない

今の上司や先輩を見て、「10年後は自分もこうなりたい」と思えるでしょうか。もし答えがNOなら、一度キャリアを考え直してみる価値があります。

もちろんすぐ辞める必要はありません。ただ、将来像が描けないまま働き続けるのは想像以上に苦しいものです。

迷ったら確認してほしい項目

次のうち3つ以上当てはまる場合は、転職活動だけでも始めてみることをおすすめします。

転職活動は退職ではありません。まずは外の世界を知り、自分の選択肢を増やすだけでも十分価値があります。

ルート営業経験を活かせる転職先

ルート営業経験を活かせる転職先。CS・人事・人材・PMO・企画

ルート営業を辞めたいと思っている人の中には、「営業しかやってこなかった」「他の仕事で通用する気がしない」と不安を感じている人もいると思います。

しかし実際には、ルート営業で身につくスキルは非常に汎用性があります。私自身も営業経験を活かしてPMOの仕事を経験し、その後は事業コンサルタントとしてキャリアチェンジしました。

営業経験は決して営業だけでしか使えない経験ではありません。

カスタマーサクセス

ルート営業経験者と特に相性が良い職種です。新規開拓よりも既存顧客の支援が中心になるため、関係構築力や課題解決力を活かせます。近年はSaaS業界を中心に需要も高まっています。

カスタマーサポート・顧客支援

顧客対応経験を活かせる代表的な職種です。ルート営業で培ったヒアリング力や調整力は大きな武器になります。「営業は疲れたけれど、お客様対応は嫌いではない」という人に向いています。

採用担当・人事

相手の話を聞き、本質的な課題を見つける力は採用業務でも役立ちます。営業経験者が人事へ転職するケースは珍しくありません。

人材業界

キャリアアドバイザーやリクルーティングアドバイザーなども人気の選択肢です。人の相談に乗ることが好きな人には向いています。

PMO・プロジェクト管理

私自身が転職した職種です。案件管理、進捗管理、関係者調整など、ルート営業で培った経験がそのまま活きました。特に複数案件を同時進行していた人ほど親和性が高いと思います。

企画職・事業企画

顧客の課題を理解し、解決策を考える経験は企画職でも活かせます。営業経験者が企画職へキャリアチェンジするケースも近年増えています。

ルート営業がきついと感じる人へ、事業コンサルタントとして伝えたいこと

きつさの原因は環境の可能性。事業コンサルタントからの助言

営業主任として働いた後、私は事業コンサルタントとして複数の企業を支援してきました。そこで強く感じたことがあります。

それは、成果が出ない原因が本人ではなく環境にあるケースが想像以上に多いということです。

ルート営業に悩んでいる人ほど、自分を責めています。「もっと頑張らなければいけない」「成果が出ないのは能力不足だ」「向いていない自分が悪い」。そう考えてしまう人が本当に多いです。

しかし企業側を見ていると、違う景色が見えてきます。

こうした問題を抱えている会社は少なくありません。現場の営業担当者は、その影響を直接受けています。それでも多くの人は、「自分が悪い」と思い込んでしまうのです。

実際、私は営業で苦しんでいた人が転職後に活躍する姿を何度も見てきました。反対に、前職でトップ営業だった人が環境の変化で結果を出せなくなることもあります。

能力は同じです。違うのは環境です。

だから今ルート営業がつらいと感じているとしても、それだけで自分の価値を否定する必要はありません。今の会社が合わないだけかもしれませんし、今の業界が合わないだけかもしれません。

大切なのは、「ルート営業が向いていない」と決めつける前に、自分の選択肢を知ることです。環境が変わるだけで、人は驚くほど力を発揮できることがあります。

ルート営業に関するよくある質問(FAQ)

ルート営業のよくある質問。楽さ・ノルマ・未経験・女性・転職

ルート営業は本当に楽ですか?

営業職全体で見れば比較的働きやすい部類だと思います。ただし、「楽な仕事」という意味ではありません。顧客対応、案件管理、数字目標などがあり、別の種類の大変さがあります。

ルート営業でもノルマはありますか?

会社によりますが、多くの場合はあります。私が勤務していた会社でも売上目標がありました。既存顧客対応だけでなく、新規案件獲得や競合とのコンペもありました。

ルート営業は未経験でもできますか?

可能です。実際に未経験歓迎の求人も多くあります。ただし、人と関わることが極端に苦手な場合はギャップを感じることがあるかもしれません。

ルート営業は女性でも働きやすいですか?

業界によります。ただし、新規開拓中心の営業よりはスケジュールを調整しやすい職場も多く、女性営業が活躍している企業も少なくありません。

ルート営業から異業種へ転職できますか?

十分可能です。ルート営業では、コミュニケーション力、ヒアリング力、顧客対応力、調整力、案件管理能力などが身につきます。

これらは多くの職種で評価されるスキルです。

まとめ|ルート営業がきついかは適性で決まる

まとめ。ルート営業のきつさは適性で決まる

ルート営業は営業職の中では比較的働きやすい仕事です。飛び込み営業やテレアポ中心の営業と比べると、既存顧客との関係構築が中心になるため、「楽すぎる」と言われることもあります。実際、移動時間の自由さや裁量の大きさなど、働きやすいと感じる部分はあります。

しかしその一方で、顧客との距離が近いからこその大変さもあります。クレームや要望への対応、数字目標、案件管理、社内調整など、ルート営業は決して顧客を回るだけの仕事ではありません。

私自身も3年間営業として働く中で、多くの苦労を経験しました。それでも続けられたのは、お客様から直接感謝される機会が多かったからです。自分の提案が誰かの役に立ち、生活を良くしている実感を持てることは、この仕事の大きな魅力だと思います。

だからこそ、「楽そうだから」という理由だけで選ぶのではなく、自分に合っているかどうかで判断することが大切です。

もし今ルート営業がきついと感じているなら、自分を責める必要はありません。営業経験で培ったスキルは他の職種でも十分活かせます。特に20〜30代で営業からの転職を考えるなら、営業職に特化した転職エージェント(hape Agentなど)に相談すると、経験を活かせる求人に出会いやすくなります。

まずは今の環境が合わないのか、それとも仕事そのものが合わないのかを整理しながら、自分にとって納得できるキャリアを考えてみてください。