「営業を辞めて事務職へ転職したい」
「営業しか経験がないけれど、事務職でも採用される?」
「ノルマのない仕事に転職したいけど、年収が大きく下がらないか心配」
このように悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
私は新卒で大手不動産会社へ入社し、約8年間、賃貸仲介営業として働いていました。
毎月の売上だけではなく、管理物件の獲得や付帯サービスなど複数のノルマがあり、繁忙期には休日でもお客様を優先するような生活でした。
もともと入社時には管理事務を希望していたこともあり、営業として働きながら「自分は営業に向いていない」と感じることも少なくありませんでした。
その後、社内で営業職から事務・管理業務へ異動し、さらに現在は金融業界の事務職へ転職しています。
営業から事務へ移った直後は、月給が約5万円下がりました。
一方で、ノルマがなくなり、週休2日で休めるようになり、有給も取得しやすくなりました。
さらに金融業界へ転職した後は年収も少しずつ上がり、営業時代と同等以上の水準まで回復しています。
営業をしていた頃は、
「営業しか経験がない自分が事務職になれるのだろうか」と思っていました。
しかし、実際に事務職として働いてみると、電話対応や社内調整、顧客対応など、営業経験を活かせる場面は想像以上にありました。
この記事では、私自身の経験をもとに解説します。
営業を辞めたいものの、「次に何をすればいいのかわからない」という方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の結論

特に営業では、
- 電話・メール対応
- 顧客対応
- スケジュール管理
- 資料作成
- 契約手続き
- 社内外との調整
など、事務職でも使う仕事を日常的に経験しています。
私自身も、不動産営業から社内の事務職へ異動した後、金融業界の事務職へ転職しました。
一方で、営業から事務へ移ればすべてが楽になるわけではありません。
私の場合は営業から事務へ異動した際、月給が約24万円から約19万円へ下がりました。
また、事務職になってからは4店舗分の業務を担当したり、管理物件のクレーム対応を行ったりと、営業とは別の大変さもありました。
それでも私は、営業職へ戻りたいと思ったことは一度もありません。
数字を作る立場から、営業担当を支える立場へ変わったことで、自分にはこちらの仕事のほうが合っていると気付けたからです。
「営業が向いていない=仕事ができない」というわけではありません。
売上を作ることよりも、人を支えたり、業務を正確に進めたりするほうが得意な人もいます。
営業から事務職への転職を考えるときは、自分が営業の何をつらいと感じているのかを整理したうえで、営業経験をどのように事務職へ活かせるか考えることが大切です。
営業から事務職への転職は可能?私の場合は社内異動から始まった

私は新卒で不動産会社へ入社したとき、本来は管理事務を希望していました。
しかし、一次面接で「愛想がいいから営業のほうが向いている」「営業のほうが給与も高い」と言われ、そのまま営業職として採用されることになりました。
結果として約8年間会社に在籍しましたが、営業として働いていた頃から、自分が営業に向いているとはあまり感じていませんでした。
特につらかったのが、毎月数字を作らなければならないことです。
私が勤務していた会社では、毎月最低50万円程度の売上目標がありました。
さらに、
- 管理物件の獲得
- 付帯サービスの販売
- 店舗単位の目標
などもあります。
成績はランキングとして共有されるため、同期が昇格したり表彰されたりする一方、自分が下位にいることもはっきり分かります。
私は数字を追うことをモチベーションに変えられるタイプではありませんでした。
次第に仕事へ行くこと自体がつらくなり、胃腸炎になったり、仕事へ行きたくない気持ちから仮病を考えたりすることも増えていきました。
そんな中、社内で事務職の枠が空きました。
退職する事務員の方が新卒時代からお世話になっていた方で、推薦していただいたこともあり、営業から事務職へ異動することになりました。
私にとっては、これが営業を離れる最初のきっかけでした。
営業から事務へ異動して「売上を作らなくていい」ことに安心した
事務職へ異動して一番大きく変わったのは、自分自身が売上を作る必要がなくなったことです。
もちろん、事務職にも責任はあります。
しかし、営業のように、
「今月はいくら売ったのか」
「契約は何件取れたのか」
と毎月数字で評価されるわけではありません。
私は事務職として、
- 各店舗の小口精算
- 日報・月報の作成
- 月末の締め作業
- 契約台帳の作成
- 管理委託契約書の作成
- 管理台帳の作成
- 業者発注
- 請求書処理
などを担当していました。
営業担当や現場スタッフが仕事を進めやすいように支えることが、自分の仕事になります。
営業をしていた頃は「自分が契約を取らなければならない」というプレッシャーがありました。
しかし事務職では、営業担当が成果を出すために必要なことをサポートすることで会社へ貢献できます。
実際に異動してみて、
「売上を作る人を支える仕事って、こんなに楽しいんだ」と感じました。
自分としては仕事としてサポートしているだけなのに、営業担当から「ありがとう」と言ってもらえることもあります。
営業時代とは違った形で、人の役に立っている感覚を持てるようになりました。
営業から事務職へ変わって良かったこと

営業から事務へ移ったことで、仕事内容だけではなく働き方も大きく変わりました。
もちろん会社や職種によって違いますが、私の場合に特に大きかった変化を紹介します。
ノルマやランキングから解放された
一番大きかったのは、やはりノルマがなくなったことです。
営業時代は、常に数字が頭にありました。
売上が足りない。
管理獲得数が足りない。
付帯サービスが足りない。
同期より順位が低い。
数字を作れないと上司から営業方法について指摘されることもあります。
営業成績が悪かった頃は、仕事の改善について言われていると分かっていても、「自分自身を否定されている」と感じてしまうことがありました。
事務職へ異動してからは、この感覚がなくなりました。
締め切りや業務量に追われることはあっても、「売上がないから自分には価値がない」と考える必要はありません。
私にとっては、それだけでも精神的な負担が大きく減りました。
休みを取りやすくなった
営業時代は、休みがお客様の予定に左右されることがありました。
公休であっても担当しているお客様から来店希望があれば、休日出勤したり、予定を変更したりすることがあります。
特に繁忙期は週1日程度しか休めないこともあり、有給も簡単には取得できませんでした。
事務職へ異動してからは、週休2日になり、有給も以前より取得しやすくなりました。
現在の金融業界の事務職では完全週休2日制で、週1日の在宅勤務もあります。
体調不良や家庭の事情、帰省などで休みたい場合も、理由にかかわらず上司へ報告して休める環境になりました。
営業時代には「休むために仕事を終わらせなければ」と考えていました。
現在は、休みを休みとして過ごせるようになっています。
お客様ではなく営業担当を支える仕事になった
現在の仕事では、不動産、生命保険、損害保険、証券、税務関係の事務や、法人営業のサポート、資料作成などを担当しています。
対人業務そのものがなくなったわけではありません。
ただ、営業時代とは相手が変わりました。
お客様へ商品を提案して契約につなげるのではなく、基本的には社内の営業担当が仕事を進めやすいように動きます。
営業時代の私は、
「このお客様と会話が続かなかったらどうしよう」
「契約にならなかったらどうしよう」と、接客前から考え込んでいました。
現在は普段関わる営業担当の特徴や仕事の進め方を理解すれば、こちらから動き方を調整できます。
自分にはこの働き方のほうが合っていました。
営業から事務職になると年収は下がる?私の場合のリアルな変化

営業から事務職への転職で気になるのが年収だと思います。
私の場合、営業から事務へ異動した直後は明確に給与が下がりました。
実際の年収の変化は以下の通りです。
- 不動産営業:約290〜340万円
- 不動産事務:約280〜300万円
- 金融事務:300万円スタート
- その後:320万円
- その後:350万円
- 直近では380万円程度になる予定
営業時代の月給は約24万円でした。
一方、事務へ異動してからは約19万円となり、毎月約5万円下がりました。
当時はかなり大きな差だと感じました。
そのため、「営業を辞めて事務になれば絶対に良い」と簡単に言うつもりはありません。
収入を最優先する人にとっては、営業を続けたほうが良いケースもあります。
実際、私が勤務していた会社では成果を出している営業担当が半期で100万円以上の賞与を受け取ることもありました。
私はそのような働き方ができるタイプではありませんでした。
私の場合は、給与が少し下がっても、
- ノルマがなくなる
- 休日が増える
- 有給を使いやすくなる
- 精神的な負担が減る
ことのほうが重要でした。
さらに、事務経験を積んで金融業界へ転職してからは、年収も少しずつ上がっています。
営業から事務へ転職する場合、一時的な年収だけではなく、数年後の昇給や働き方まで含めて判断したほうが良いと思います。
営業から事務職へ転職して大変だったこと

事務職へ移れば仕事がすべて楽になるわけではありません。
営業とは違った大変さがあります。
私自身も、事務へ異動してから苦労したことはありました。
事務職でも業務量が少ないとは限らない
私の場合、本来であれば1店舗に1人程度配置される事務業務を、イレギュラーで4店舗分担当していました。
そのため、各店舗の状況に合わせて移動したり、休みを調整したりする必要があります。
事務職というと、
「毎日決められた仕事を落ち着いて行う」
というイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし、会社や配属先によってはかなり忙しくなります。
営業から逃れたいという理由だけで事務職を選ぶのではなく、求人を見る際には担当業務や人数体制まで確認したほうがよいでしょう。
クレーム対応がなくなるわけではなかった
不動産会社の事務・管理業務では、管理物件についての問い合わせ対応も担当していました。
電話がかかってくる内容は、
「設備が壊れた」
「修理してほしい」
「すぐ対応してほしい」といったものが中心です。
修理には家主の費用負担が発生するため、こちらの判断だけですぐ業者を手配できないケースもあります。
家主へ確認してから対応する必要があり、その間に入居者から怒られることもありました。
営業のような数字のプレッシャーはなくなりましたが、電話対応という別のストレスはあります。
「営業を辞めれば人と関わらなくて済む」と考えている場合は注意が必要です。
事務職でも、電話や社内調整、顧客対応が多い仕事はあります。
異業種へ転職すると覚えることが一気に増えた
金融業界へ転職してからは、さらに新しい知識が必要になりました。
現在は不動産だけではなく、
- 生命保険
- 損害保険
- 証券
- 税務
などにも関わっています。
これまで触れたことのない業界だったため、資格取得やシステム操作、契約書類など覚えることは非常に多くありました。
事務職だから専門知識が不要というわけではありません。
むしろ、正確な処理を求められる仕事だからこそ、ルールや制度を覚える必要があります。
新しいことを学んだり、自分で予習・復習したりすることが苦手な人は、転職先の仕事内容をよく確認したほうがよいでしょう。
営業経験は事務職でも活かせる

営業から事務職への転職を考えていた頃は、
「営業しかしてこなかった」という不安がありました。
しかし、実際に事務職として働いてみると、営業経験が役立つ場面はあります。
電話対応や顧客対応に慣れている
営業では日常的にお客様と電話します。
相手が何を求めているのかを聞き、必要な情報を確認し、分かりやすく説明する。
この経験は事務職でも活かせます。
現在も不動産関連の問い合わせが固定電話へ入った場合などは、営業時代の経験を使って一次対応できます。
「電話を取ることに抵抗がない」というだけでも、事務職によっては強みになります。
営業担当が何を求めているのか理解できる
営業を経験した後に事務職へ移るメリットの一つが、営業担当の仕事を理解できることです。
営業担当が、
「いつまでに何が必要なのか」
「お客様へ何を説明しなければならないのか」
「今どの仕事を優先したいのか」といったことを想像しやすくなります。
私自身も営業時代には、他の営業担当の案内や事務作業を手伝うことがありました。
事務へ異動してからは、それが正式に自分の役割になりました。
営業担当が成果を出せるように動くことに、営業時代とは違ったやりがいを感じています。
特に営業事務を目指すのであれば、営業経験は大きな強みになり得ます。
契約書や資料に触れてきた経験も使える
営業は会話だけをする仕事ではありません。
私も不動産営業時代には、
- 契約手続き
- 電話対応
- 法人顧客対応
- 物件情報の処理
- 写真・動画の編集や掲載
など幅広い仕事をしていました。
営業から事務職へ転職するときは、「営業をしていました」とだけ伝えるのではなく、こうした事務的な業務まで棚卸しすることが重要です。
採用担当者から見れば、完全な事務未経験ではなく、すでに一部の業務を経験している可能性があります。
営業から事務職へ転職するなら「営業事務」も選択肢になる

営業経験を活かしながら事務職へ移りたい場合は、営業事務も検討しやすい仕事です。
営業事務は、営業担当をサポートするために、
- 見積書・資料の作成
- 顧客情報の管理
- 受発注対応
- スケジュール調整
- 電話・メール対応
- 営業担当との連携
などを行います。
業務内容は会社によって違いますが、営業経験者であれば営業担当がどのような情報を必要としているのかを理解しやすいでしょう。
私自身も事務職へ異動して、
「自分で売上を作るより、売上を作ろうとしている人を支えるほうが楽しい」と気付きました。
営業そのものは苦手でも、
「人を支えることは好き」
「細かい仕事を進めることは苦にならない」
「営業担当とコミュニケーションを取りながら働きたい」
という人であれば、営業事務との相性を考えてみてもよいと思います。
営業から事務職への転職を成功させるポイント

営業から事務職へ転職するときは、「営業が嫌だから事務」と考えるだけではなく、自分の経験と事務職の仕事内容をつなげることが重要です。
営業の中でやっていた事務作業を棚卸しする
まず確認したいのが、現在の営業業務です。
営業といっても、実際には商談だけをしている人は少ないと思います。
例えば、
- 見積書作成
- 提案資料作成
- 契約処理
- 顧客管理
- データ入力
- 電話・メール対応
- スケジュール調整
- 社内調整
などを経験しているなら、事務職と重なる部分があります。
「営業経験しかない」とまとめてしまうのではなく、具体的な業務まで書き出してみてください。
なぜ事務職へ移りたいのかを整理する
面接では、
「なぜ営業から事務職へ転職したいのですか」と聞かれる可能性があります。
その際に、
「ノルマが嫌だから」
だけでは、採用担当者から「単に営業から逃げたいだけではないか」と見られる可能性があります。
私の場合であれば、営業時代から他の営業担当をサポートする仕事に関わり、事務へ異動してから「売上を作る人を支える仕事のほうが自分に合っている」と気付きました。
このように、
「営業では何が合わなかったのか」
だけでなく、
「事務職のどこに自分の適性を感じているのか」
まで説明できると、転職理由に一貫性が生まれます。
年収だけでなく働き方まで比較する
営業から事務へ移る場合、年収が下がる可能性は考えておいたほうがよいでしょう。
ただし、年収だけで決める必要もありません。
私の場合、営業から事務へ異動したことで月給は約5万円下がりました。
それでも、休みやすさや精神的な負担を考えると、事務へ移ったことを後悔していません。
その後は金融業界の事務へ転職し、年収も営業時代以上の水準まで上がりました。
転職先を比較するときは、
- 基本給
- 賞与
- 昇給
- 年間休日
- 有給取得
- 残業
- 在宅勤務
- 業務内容
まで確認することをおすすめします。
営業から事務以外へ転職したい場合はどうする?

営業経験を活かせる仕事は、もちろん事務職だけではありません。
当メディアの執筆者YUKIは、営業経験を活かしてフリーランスのPMOとして独立した後、事業コンサルタント会社へ転職しています。
営業で培った顧客折衝や調整、課題整理の経験を別職種へつなげたキャリアです。
ただし、本記事では私自身の経験をもとに、営業から事務職へ移るケースを中心に紹介しています。
PMOや企画、人事、マーケティングなどを含めて幅広く「営業から異業種へ転職する方法」を知りたい場合は、営業から異業種への転職について解説した記事も参考にしてください。
よくある質問(FAQ)

営業から未経験で事務職へ転職できますか?
可能です。
営業では電話対応、資料作成、契約処理、スケジュール管理、顧客対応など、事務職と共通する仕事を経験していることがあります。
まずは自分の営業業務を細かく棚卸しし、応募先の事務職で活かせる経験を整理してみてください。
営業から事務職へ転職すると年収は下がりますか?
下がる場合はあります。
私の場合は、営業時代の年収が約290〜340万円、事務へ異動した後は約280〜300万円でした。
ただし、その後金融事務へ転職し、300万円から320万円、350万円と昇給し、直近では380万円程度になる予定です。
転職直後の給与だけではなく、その後の昇給や働き方まで含めて比較することが重要です。
営業経験は営業事務でも役立ちますか?
役立ちます。
営業担当がどのような資料や情報を必要としているか、どの仕事を急いでいるかなどを理解しやすいためです。
顧客対応や電話対応に慣れていることも営業事務では活かしやすい経験です。
事務職ならノルマはありませんか?
営業のような売上ノルマを持たない仕事は多いですが、すべての事務職に目標がないとは限りません。
また、締め切りや処理件数、正確性など別の基準で評価される場合があります。
求人票だけで判断せず、面接で具体的な業務内容や評価方法を確認することをおすすめします。
営業を辞めて事務職に転職したことを後悔していますか?
私は後悔していません。
むしろ、「もっと早く営業を離れても良かった」と思っています。
営業には営業の良さがありますが、私には数字を追う仕事より、営業担当を支える仕事のほうが合っていました。
営業へ戻りたいと思ったこともありません。
まとめ

営業から事務職への転職は十分可能です。
私自身、不動産営業から社内の事務職へ異動し、その後は金融業界の事務職へ転職しました。
営業から事務へ移った当初は月給が約5万円下がりました。
一方で、
- ノルマがなくなった
- 週休2日になった
- 有給を取得しやすくなった
- 休日に仕事を考える時間が減った
- 営業担当を支える仕事にやりがいを感じられた
など、働き方は大きく改善しました。
さらに金融事務へ転職してからは年収も少しずつ上がり、営業時代と同等以上の水準まで回復しています。
もちろん、営業より事務職のほうが必ず良いというわけではありません。
事務職にも業務量の多さや電話対応、新しい知識を覚える大変さがあります。
大切なのは、
「営業を辞めたいから事務職」
と考えるのではなく、
「自分はどのような仕事なら力を発揮しやすいのか」まで考えることです。
営業で数字を作ることが苦手でも、営業担当をサポートする仕事なら力を発揮できる人もいます。
営業経験の中には、電話対応や資料作成、契約処理、スケジュール管理など、事務職でも使える経験がたくさんあります。
「営業しかしてこなかったから事務職は無理」と決めつける必要はありません。
まずはこれまで担当してきた仕事を細かく棚卸しして、自分の経験がどのような事務職で活かせるのかを確認してみてください。
